理念
暮らし + seeds(種)
暮らしを豊かにする種を提供する
くらし~ずを始めた経緯
現在、技術の進歩のおかげで、私たちの暮らしはとても便利なものになっています。生活に必要なインフラを考えてみると、スイッチ一つで電気がつき、お湯が沸き、火がつきます。お金を出せば、食べ物や服、家具、家電などいろいろなものが簡単に手に入ります。「便利で快適な暮らし」はとてもありがたいものであり、素晴らしいものです。しかし一方で、「便利で快適な暮らし」では、ほとんどのことを外注しているとも言えます。
昔の暮らしの方が素晴らしいとは言いませんが、食べ物を作る技術、壊れたものを自分で直す技術、服を作る技術、生活の知恵など、衣食住を自分の力でなんとかする力があったと思います。
また、災害などでインフラに支障が出ると、便利で快適な暮らしは成り立たなくなってしまいます。便利さを完全に手放すことは必要ないですが、自分の力でなんとか出来る力を身につけておくことは、必要なことではないかと考えています。
「便利で快適な暮らし」は、自然とはかけ離れた暮らしであるとも言えます。養老孟司氏の言葉を借りると、都市とは人間の意識の産物であり、「脳化社会」であると表現されています。本来、人も自然であり、都市のみで暮らし続けることは、大きなストレスを抱える要因なのではないでしょうか?特に子どもたちにとっては、脳の発達の観点からも自然の中で過ごす時間がとても大切であると言えます。
私自身、北海道で生まれたので、冬はいつも雪遊びをしていた記憶があります。父に連れられキャンプや魚釣りなど、自然の中で遊ぶ経験が多い幼少期でした。小学校2年生で広島に引っ越してきました。中学時代には魚釣りに熱中し、大学に入ってからは、登山やキャンプ、スノーボードに熱中しました。
社会人になってからも、自然遊びは趣味として続けていました。そんな時に、野外教育の世界に出会いました。社会的な課題を解決する手段として、とても魅力を感じた分野であったため、いくつかの団体で経験を積み、2015年に体験型ツアー会社を設立しました。2020年まで同法人を続けていましたが、病気の父の介護と、コロナ禍という社会的な背景もあり解散しました。
父が病気で農業が出来なくなったため、手伝っていただけだった父の実家の田んぼを本格的に始めることしました。それまでは、一般的な慣行栽培をしていましたが、無農薬・無肥料での自然農や自然栽培に興味があったので、少しずつ自然栽培での米作りに挑戦していきました。同時に、畑での野菜作り、味噌作りや梅干し作りにも家族で取り組んでいます。
このような経験から、農的な暮らしや、自然遊びなど、自然の中で過ごす時間は、自分自身の暮しを豊かにしてくれる、とても魅力的なものだと感じています。この魅力を多くの人に伝えたいと思い、2025年の春に東広島市の志和町に移住して「くらし〜ず」の活動を始めました。
私たちの活動が、誰かの暮らしを豊かにすることができる種となれば、とても嬉しいです。
代表 秋山英輝
